サンクチュアリ
入って少し行くと小さな階段。
まっすぐ進めば美術書、くるっと振り返ってまた小さな階段を上がれば
なかなか出会えないような世界の音楽、そしてデザイン・・・
この場所は私にとってサンクチュアリだった。

親と喧嘩して家を飛び出した夜も、
大好きな人との偶然の再会を期待した夕暮れも
そして、大切な人を失って、記憶も覇気も失っていた時も、
真夜中にここに逃げ込んで、自分の好きなものに囲まれると、
ゆっくりと冷たくなった心がほどけていくようだった。

私にとってそんな場所だった青山ブックセンターが閉店する。

記憶の扉をこじ開けるようで、足が遠のいていた場所に久々に訪れてみると
そこにはなんとも懐かしい空気が漂っていて、
書棚をめぐる度に、その場所での様々な思い出が蘇ってきた。

「洋書セール70%OFF」

店中に貼られたそんな文字が、いよいよこの店が本当になくなってしまうことを告げている。

私は、この愛おしい店への餞別のように、
何か欲しい本はないかと探し回り、そして、美しい庭が描かれた一冊の本を手にした。

「Creating Home」

結局、私はいつも自分の居場所を探しているのかもしれない。

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# by nagasakakumi | 2018-06-24 14:22 | Feeling
孤独な夜に
ブログにツイッターにFacebookにインスタに
仕事柄、それぞれアカウントは持っているものの
あまり投稿していない。
孤独だからこそ、繋がっていたくてSNSをやるというけれど、
とことん孤独になってみたら
案外そんなものいらない、って思うかもしれない。

〇〇さんは寂しがり屋だから・・・
私の周りでそんなフレーズをよく聞く。
寂しいからSNSをやっていたら・・・
なんだかもっと寂しくなりそうな気もしてくる。

村上春樹は今年もノーベル賞を取らなかったけれど、
それはそれで、ほっとする気がして、
やっぱり村上春樹は賞なんか取らないでいてほしいという
勝手な気持ちがあったりする。

自己完結型の孤独な文が、
なんだか孤独でなくなってしまうような気がするから。

孤独の美を貫いてほしい、
そう思うのだと思う。

そして、孤独を抱える者たちがひっそりと寄り添える
そんな本が勝手に存在していて欲しいと
夜中にふと本棚を見ながら思ったりする


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# by nagasakakumi | 2017-10-17 02:05 | Feeling
車と日々
ここ数年、車を持たなかった。
私にとって車は、子供の頃から一番の交通手段だったはずなのに。

母は、「これ、私の下駄」とよく言っていて、
真っ赤なアルファロメオを乗り回していた。

私の一番幼い記憶は、そのアルファロメオの助手席に
半ばシートベルトで縛り付けられたような状態で、
胸にGを受け、感じた恐怖だったっけ。

そんな暴走気味の母は毎朝私を横浜の学校まで送り、稽古場に送り、
休日は決まって緑あふれる場所に私と犬を連れて行った。

私は私で17で免許を取ると、小さな水色の車でどこへでも行くようになった。
母と喧嘩した時は、家を飛び出し、車で寝泊まりしたこともあったっけ

家族の記憶は常に車と共にある。
そして、片思いの彼と旅したのも車、
ふと夜中に思い立って日本列島横断したのも車、
家族を亡くした日、一人泣いたのも車だった。

車の中は思考の場。
私にとってどんな時でも一人になれる
大切で特別な場所だった。

そして、今日、ふたたび車を買った。

このところ何も書いていなかったから
夜中に車を走らせながら色々思いをまとめてみるのもいいかもしれない。
BGMは何にしようか…
サラ・ヴァレリス、サラ・マクラクラン?エド・シーランなんかもいいかも知れない

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# by nagasakakumi | 2016-11-05 02:26 | Entertainment
ぐぐぐ
久々にこのページを開けた

10年以上の月日が蓄積されていた。
忘れたいこと、忘れられないもの
色々な感情や記憶が交錯し、
実際に積み重なったナガサカの足跡が残ってる、

変わってしまった自分、変わらなかった部分、
読み返すと贅沢な過去世みたいだ

時々時間を止めて、改めてその時間を味わってみると・・・
それは苦かったり、あまーかったり、酸っぱかったり
いろんな味がしそうなので、
今日はこのぐらいでおしまい。

やっぱりここで書いていこうかなぁ・・・
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# by nagasakakumi | 2016-11-01 23:06 | Feeling
アジアの地にて
一カ月で地球1.5周…
さすがに腰痛復活…
でも、目にするものすべてが新しい発見とともにある
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# by nagasakakumi | 2016-03-08 02:34 | Seeing
南の果て
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人はみな、心の原風景を求めながら、生きているのかもしれない。

灼熱の太陽が輝く地球の裏側に
故郷に思いを馳せたイタリア移民たちが拓いた土地。

サンバもボサノバも合わない、
牧歌的な葡萄畑が一面にひろがった風景は、
時間の流れが明らかに違った

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# by nagasakakumi | 2016-02-14 17:13 | Seeing
2016
新しい年が明けた。

今年は新しい世界が開けるでしょう...

そんな占いが目に飛び込んで来た。

去年は何だかうまくいかない一年だった。
だからこそ、そんな一文がとっても嬉しかった。

数年前、取材で知り合った年配の女性と
初対面なのに、なぜか話し込んだことがある。

50代の彼女は、とても洗練されていて、
こんな大人の女性になりたいと思わせる女性だった。

でも、
今だに、なぜそんな話になったのか、思い出せないのだけれど、
彼女は、自分が過ごした40代の日々について話し始めた。

それは、それは、ツライものだったと。

当時の私がまだ見ぬ世界、
それは、まるで大波が目の前に立ちはだかるような感覚で
迫りくる、はっきりと見えない影に怯えたのを思い出す。

もがいて、もがいて、苦しんで、
で、ここに来たの。

そう語る彼女の表情には、
成熟した女の顔と
少女のような面影があった。

必死にもがいて、苦しんで・・・

なんだかそれって10代の頃みたいだ。

40代は人生の折り返し地点というけれど、
自分の立ち位置がわからなくなって、
どうなりたいのか模索して、
そんな日々をもう一度繰り返す・・・

不安で、必死にもがいて、空回りして、
自分が嫌になって、
でも、未来の光を追い求めてる。

そして、その日々は記憶に深く残る。

今は、そんな青春時代が再びやってきたのと同じなのだと考えると
ちょっとゾッとして、
でも、まあ、頑張るか、という気になったりする。

いつか、そんな日々を、
かけがえのない時間として、
目を細めて思い出すことができる日が来ることを夢見て
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# by nagasakakumi | 2016-01-07 21:43 | Feeling
一人旅
年齢と共に一人旅がどんどん下手になっていく気がする。

かつては、北へ南へ、毎月のように旅していた頃が上手く思い出せないのだけれど、
少なくとも今の自分は、一人旅がうまくできていない。

雨に濡れた艶やかな苔庭を目にしても、
水鏡に映る紅葉に出会っても、
純粋にその美しさに心奪われるだけでなく、
その後、どうしても共感する相手を求めてしまう。

忘れられない瞬間や情景は、数々あったけれど、
一人旅では、その景色は覚えていていも、
その時の感情を思い出すことができない。

その一瞬を誰かと分かち合うことが、やがて記憶となり刻まれていく。

改めてそんなことを痛感しながら、
でも、一人旅が上手だった自分が少し懐かしく、羨ましくなった。

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# by nagasakakumi | 2015-11-20 00:10 | Seeing
京都にて
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この街の光が好き。
東京のように明るすぎないところ。

柔らかな光が心の糸を緩め、
闇から物語が生まれる。

でも…
なんでせっかく来たのに雨なのよ…

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# by nagasakakumi | 2015-11-14 22:09 | Seeing
京都人のひそかな愉しみ
間、しつらえ、静寂…
そういうものを考えるとき、
やはり京都の街を思ふ。

たおやかに、それでいて、りんとした佇まいは
まさに京女のごとく、人を魅了する。

この土地にくると、なぜか、私の
体内時計の回り方は、いつもよりゆっくりと
回り始める。

夜通し車を走らせて、やっと着いた嵐山も
思い立って桜をを見に訪れた夜も
忘れがたい出来事が起こる街。
先日、「京都人のひそかな愉しみ」と言う、
ドラマ仕立てのドキュメンタリーを観た。

そこには静寂が伝える人の思いや
先人が紡いできた伝統、
そして、時が育んだ、何者にも変えがたい美しさが
映し出されている。

観ていて心が震える、共鳴する、
そんな感じがした。

錦市場、上賀茂、そしてとっておきのあの寺へ
京の街を流れる水脈をたどりながら、
また、ゆっくりと街を歩いてみたくなった。

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# by nagasakakumi | 2015-08-21 01:22


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